経営者の方や担当者の方が税理士を探す場合、「なるべく若い税理士」「若手の税理士が良い」という言葉を耳にします。
若手税理士を選択する多くの経営者の理由としては、
- 話や会話がスムーズで話が合うから
- 一緒にやる気になって経営を支えてくれるから
- 相談が行いやすいから
- 対応がスピーディーだから
以上のような理由が多いのではないでしょうか。
今回は、若手税理士は何歳ぐらいまでが若いのか、税理士の平均年齢はどれぐらいなのかを説明していきます。
税理士の平均年齢は60歳以上?
日本税理士会連合会が出している「データで見る税理士のリアル」によると、以下のようなデータとなっています。
- 20代の税理士・・・0.6%
- 30代の税理士・・・10.3%
- 40代の税理士・・・17.1%
- 50代の税理士・・・17.8%
- 60代の税理士・・・30.1%
- 70代の税理士・・・13.3%
- 80代の税理士・・・10.4%
このようなデータとなっています。
60代の税理士が一番を多く、全体の30%を占めています。さらに、30代の税理士(10.3%)より、70代の税理士(13.3%)の方が3%とも多い結果となり、高齢化が進んでいると言えます。
以上のようなデータから、税理士の平均年齢は60歳以上と言われる由縁です。
年齢が高い税理士は経験が豊富なのか?
考え方によっては、
- 高齢の税理士=幅広く知識や経験がある税理士
と思われるかもしれませんが、一概には言い切れません。
理由としては、同データでは税理士に従事している年数もデータが出ており、以下の通りとなります。
- 税理士経験1年以下・・・4.3%
- 税理士経験3年以下・・・8.3%
- 税理士経験5年以下・・・7.6%
- 税理士経験10年以下・・・17.7%
- 税理士経験20年以下・・・24.1%
- 税理士経験30年以下・・・18.8%
- 税理士経験40年以下・・・10.6%
- 税理士経験40年超・・・8.1%
経験が11年以上、20年以下の税理士(24.1%)が多いことが分かります。
通常の企業で考えた場合、33歳~41歳ぐらいの年齢となりますが、税理士は60歳が30.1%と一番多い年代となっています。
つまり、高齢の税理士は幅広く知識や経験がある税理士ではない可能性もあると言うことになります。
なぜこのような事態に税理士業界は陥っているのか、それは税理士資格を取得する方法が関係しており、以下で説明していきます。
なぜ!?税理士は高齢化しているのか
税理士が高齢化している理由の1つに、「税理士資格を取得する方法」に関係があると言えます。
税理士を取得する方法は現在大きく分けて4つの方法があり、
- 弁護士であること
- 公認会計士であること
- 税務署に一定年数勤務すること
- 税理士試験に合格後、2年の実務経験を積むこと
以上のような方法があります。
弁護士や公認会計士資格を取得すると「税理士」の資格もセットで付いてくるイメージです。
税務署退職後に税理士業務を行うケースがあり、高齢化となる
税務署に一定年数勤務することで税理士試験免除制度が適用されます。
【税理士試験免除制度】
10年又は15年以上税務署に勤務した国税従事者は、税法に属する科目が免除されます。 23年又は28年以上税務署に勤務し、指定研修を修了した国税従事者は、会計学に属する科目が免除されます。
引用:日本税理士連合会より
以上の制度を利用して、税務署を退職後や定年後に税理士を開業するケースや再就職するケースがあり、税理士の平均年齢を押し上げていると言えます。
税理士試験受験する年齢も上がっている
国税庁が発表した「令和元年度(第69回)税理士試験結果」では以下のようなデータとなっています。
令和元年税理士試験結果 | 受験者数 | 合格者数 |
25歳以下 | 3,706名 | 1,212名 |
26~30歳 | 4,398名 | 1,010名 |
31~35歳 | 5,360名 | 1,057名 |
36~40歳 | 4,997名 | 809名 |
41歳以上 | 11,318名 | 1,300名 |
41歳以上で試験を受けている人数が一番多く、26~30歳の2倍以上の人数が受けています。それに伴い、41歳以上の合格者が1,300名となり、こちらもどの年代よりも多くなっています。
このようなことから、税理士の平均年齢が高くなっています。
若手税理士は何歳まで若手なのか?
上記で税理士の平均年齢を説明してきましたが、若手税理士は何歳までが若手税理士と呼ぶのでしょうか。
様々な見解がありますが、若手税理士は20代~40代ぐらいまでは若手税理士と呼ばれているのが現実です。
理由としては、
- 20代・30代の税理士の割合が少ないため
- 40代までは税理士資格があれば転職などが容易のため
- 税理士を開業して行う場合などは年齢制限がないため
以上のことが考えられます。
そのため、一般企業に勤務している方や、経営者の方は意外だとは思いますが、税理士は40代でもまだ若手の場合があると言えます。
税理士選びは年齢も大切ですが、職務経験も大切です
税理士紹介会社などを利用して若手税理士を希望する場合、冒頭で説明させていただいた「話や会話がスムーズで話が合うから」など、税理士と経営者・担当者の相性も大切になりますが、税理士経験なども考慮する必要があります。
例えば、「45歳の税理士が担当してくれるから安心だ!45歳だからベテランだろう」とは税理士業界では言えないことが現実です。
そのため、若手税理士に加え、
- 「税理士としての経験値は、どれぐらいあるのか」
- 「対応してくれるサービス面と価格が適正なのか」
などを合わせて確認いただくと、良い税理士事務所が見つかるのではないでしょうか。
最後に
税理士の平均年収や、若手税理士について説明してきました。
私(宮本 成樹)は現在30代後半で税理士を行っておりますが、税理士業界では若手税理士と呼ばれていると思います。
税理士を探す場合は、年齢や経験も重視する必要があると感じますが、小規模の法人の場合は特に税務知識が長けている経営者の方は稀だと感じます。
そのため、税理士事務所が行っているサービス内容や経営者としてお困りのことを解決してくれる事務所を選択することがお勧めだと私は考えています。
(もちろん年齢による、経営者や担当者との相性が良いことに越したことはありません。)
機会がありましたら、弊社のサービスも是非ご覧になってみてください。